吉川貴盛元農水相の議員辞職に伴う衆院道2区(札幌市東区・北区の一部)補欠選挙(4月13日告示、25日投開票)の構図が、混迷の度を深めている。吉川氏に代わる候補擁立を検討していた自民党が15日、突然の見送りを表明したためだ。与党・公明党も独自候補擁立の考えがないことを明言しており、1999年に自公が連立政権を組んで以来、初めて両党が道内小選挙区に候補を立てない異例の展開に。一方、昨年末から野党統一候補擁立へ向けた調整を本格化させている立憲民主党と共産党は困惑しながらも、作業を加速する構えだ。
■与党
「吉川氏の在宅起訴を受けて山口泰明選対委員長の判断とのことで、道連に対して事前の相談はなく突然の決定で驚いている。補選で心機一転、清廉で新鮮な候補者を選定しようと地元が努力している最中で誠に残念だ」
14日に吉川氏に代わる自民党道連会長に就任した橋本聖子五輪相は15日、こんな談話を出した。
道連では14日に役員会・総務会を開き、2区支部が出馬を要請した高橋克朋札幌市議(55)を軸に、候補者選びの協議を開始したばかりの突然の党本部の「不戦敗」表明。道連幹部からは「まさに寝耳に水」との驚きの声が広がる一方、「党本部主導で理解できない」と憤る声も。ただ、「勝っても負けても、半年以内にまた選挙(解散・総選挙)がある。まして逆風の選挙で、そんな選挙区に出たい候補は多くはない」と冷静に分析する関係者もいる。
自公連立与党のまさかの候補見送りで、野党ではあるが連立与党に近い日本維新の会の動きが今後、最大の焦点になる。維新の参院議員で、新党大地の鈴木宗男代表は2区に独自候補擁立の姿勢を崩していない。
■野党
2区には、立憲民主党が松木謙公前衆院議員(61)、共産党が平岡大介元札幌市議(31)の擁立を発表済み。現在、市民団体「戦争させない市民の風・北海道」(共同代表・上田文雄元札幌市長ら)が接着剤となり、野党統一候補擁立へ向けた作業を進めている。ただ、自民の不出馬は「想定外」で困惑は隠せない。
立憲道連は16日に札幌市内で常任幹事会を開き、松木氏の擁立を改めて確認。終了後、逢坂誠二代表(衆院議員)は記者団に「どういう事情で自民党が判断したのか分からないが、選挙というのは何があるのか分からない」と指摘し、「主要な野党が候補を一本化してしっかり戦っていく」と従来の姿勢を崩さず選挙戦に臨むことを強調。共産との調整については「さまざまな場面、チャンネルでいろいろ協議している」と明かした。
16日は札幌・大通公園で、市民の風が主催する街頭演説会も開催され、立憲の逢坂代表、共産の畠山和也前衆院議員も雪の中、マイクを握った。畠山氏は自民の「政治とカネ」の問題を厳しく批判し「市民と野党が力を合わせ、2区補選は必ず勝つ。そのために共産党は全力を尽くす」と声を振り絞った。市民の風の上田共同代表も「収賄という政治家としては最もやってはいけないことを吉川さんはやってしまった」と指摘し、「自民党は評価を受けることを拒否し、選挙はやらないという。本当に残念に思う」と語った。
道2区は、昨年12月1日現在の有権者数が46万339人と、道内3番目のマンモス選挙区。過去8回の小選挙区選挙で、自民が4勝、非自民が4勝と互角の激戦区となっている。
















