白老町は18日、アイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)や白老をアピールする「&SHIRAOI2021」を同町本町のしらおい創造空間「蔵」で開催した。中国出身の人気タレントがウポポイの魅力を語ったほか、戸田安彦町長や地元の若手商業者らが観光振興をテーマに討論した。
新型コロナウイルス流行の収束後を見据え、昨年7月に開業したウポポイと白老をPRし、国内外からの誘客につなげるイベント。コロナ対策で入場定員を絞り、町民ら20人を集めた。
第1部では、中国や日本で活躍するタレントのロン・モンロウさんが出演。会場のスクリーンにウポポイ見学の様子を撮影した動画を映しながら、「私のルーツは中国の少数民族。アイヌ民族には親近感があり、その文化と歴史が学べるウポポイは素晴らしい施設」と感想を語った。また、ウポポイのレストランで味わったシカ肉料理について「初めて食べたが、とてもおいしかった」と話し、インターネット交流サイト(SNS)でアイヌ文化発信拠点施設の魅力を広く伝えたいと話した。
第2部のトークセッションでは、戸田町長と国立アイヌ民族博物館学芸主査の八幡巴絵さん、町内でパン店ブーランジェリーニシオを営む西尾圭史さんがパネリストとなり、「ウポポイの開園を契機とした白老のこれから」をテーマに討論した。
戸田町長は「ウポポイ見学で来町した観光客の町内周遊策が課題」と語り、コロナ収束後、豊かな食や自然など白老のセールスポイントを発信し、町が運行している観光客向けバスの利用促進を図る考えを説明。かつてポロトコタンの旧アイヌ民族博物館に勤めていた八幡さんは「団体旅行者が多かったポロトコタン時代に比べ、ウポポイでは個人旅行者が目立つ」と旅行スタイルの変化に対応する必要性を語り、アイヌ文化を生かした観光振興にも期待を寄せた。
西尾さんは「遠方からの観光客のみならず、地元や近郊の人たちが白老のファンになり、何度も足を運んでもらうことが大切」と話し、白老の魅力をよりPRする重要性を訴えた。
この後、白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)のメンバーがイヨマンテリムセ(熊の霊送りの踊り)など古式舞踊やアイヌ民族の口琴ムックリの演奏を披露した。町は今後、イベントの模様を撮影した動画を町ホームページに載せ、ウポポイと白老をアピールする。




















