信用金庫の中央金融機関・信金中央金庫(信金中金=SCB)は19日、苫小牧市に企業版ふるさと納税を利用して1000万円を寄付した。市はこの寄付を活用して2021年度から、企業の事業承継を後押しする新規事業を展開する。中小企業経営者が第三者に事業を引き継いだ場合、100万円の給付を考えており、後継者不足による廃業などの回避につなげる。
信金中金は創立70周年を記念して昨年7月、企業版ふるさと納税を活用した社会貢献事業「SCBふるさと応援団」を創設。全国の自治体から地域創生事業を募り、103事業・計10億1800万円の寄付を決めた。苫小牧市は、制度設計を含め苫小牧信用金庫(小林一夫理事長)の協力を得て同事業を提案し、採択された。
小林理事長は、企業を譲渡する側に給付金を出す制度は珍しいと強調した上で、「自分の人生を懸けた企業を手放すことにためらう人もいると思うが、(同事業で)背中を押せれば」と説明した。岩倉博文市長も「経営者の高齢化が進み、休廃業や倒産が進んでいる。雇用を維持、確保するためにも事業継承が重要だ」と述べ、施策展開に意欲を見せた。
市は3カ年の事業とする計画で、詳細を詰めて新年度予算案に盛り込み、市議会の可決を経て4月にも始める。
この日は信金中金北海道支店の丸山武志支店長、苫信金の小林理事長、窪田護特別顧問らが市役所を訪れ、岩倉市長に目録を手渡した。丸山支店長はコロナ禍をはじめ、低金利化やデジタル化など社会情勢の変化に触れて「産官学で地域の未来を創ることがこれまで以上に重要。連携しながら地域で事業承継が進めば」と期待を寄せた。企業版ふるさと納税を利用した市への寄付は3件目で今回が最高額。
















