反省

反省

 乗っている小型乗用車は起動時、きょうは何の記念日かを女性の声で教えてくれる。14日朝は「きょうは、愛と勇気と希望の日です」。

 初めて聞いた。前期高齢者には縁のない熟語ばかりで、寒い車内で思わず噴き出した。インターネットで調べると南極越冬隊が1958年、カラフト犬のタロとジロたち15頭を残して帰国。1年後、酷寒の極地に残された犬と飼育担当の隊員らが再会した日が1月14日。実話を基にした高倉健さん主演の「南極物語」が83年に公開された。

 菅首相は18日の施政方針演説で新型コロナウイルス感染対策を軸に意欲を示した。所用で演説は聴けなかったが報道では東京五輪・パラリンピックについて「世界中に希望と勇気をお届けできる大会を実現するとの決意の下、準備を」と述べたそうだ。「希望と勇気」の部分が耳に残った。五輪開催を予想の対象にしようとは思わない。安倍前首相の「人類がコロナに打ち勝った証しとして」という楽観主義の修正版にしても軽さを感じるのは自分だけだろうか。

 コロナ対策の再度の緊急事態宣言を「大変申し訳なく思う」と陳謝したそうだ。感染症の主犯はウイルス。国民は、政府の科学的で適切な方針を参考にして対策を実践する立場。収束どころかワクチン接種の詳細も決まっていない中で、国民をお客さま扱いして陳謝をされても困る。陳謝にはどれだけの反省が含まれているのか。改正法案の罰則や過料を見て考えた。(水)

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