緊張

緊張

 新型コロナウイルス対策のワクチン接種準備が日本でもようやく見え始めた。詳細はこれから。マスク、手洗いの時期はまだまだ続く。

 マスクの着け方はいろいろ。おかしいと思っても注意しにくいものだ。大学入学共通テストの東京都内の会場で、鼻を出したままの受験生が、鼻まで覆うよう、監督者に6回にわたって注意されたのに従わず、不正行為と認定されて成績が無効になった。16日のことだ。文部科学省は口と鼻を覆うのが正しいマスクの使用法として、事前に受験生に周知していたそうだ。

 ドイツで19日、店内や電車、バス車内での布マスクの使用を禁止し、医療用のマスクの着用を義務づけることで政府と各州の首相が合意したそうだ。ドイツでは22日夕方現在、約211万人が感染し、5万人強が死亡している。死者の数は日本の10倍以上だ。日本にもそんな時期が来ないとは言い切れない。

 テレビの国会中継を見ていると、選良たちのマスクの仕方がつい気になる。20日は菅首相の鼻が、マスクから微妙にはみ出ていた。隣席の財務大臣は大きくずり落ち、特に気になるふうもなかった。21日には両者とも所定の位置にマスクが収まっていたが―。開け放たれた鼻の穴から、ウイルスが何の障害もなく飛び出し周囲に不安を与えているのか心配しつつ、政府の緊張感の底が見えた気がした。

 各国のワクチン接種も進まない。マスクは今、礼儀作法ではない。ぜひ自覚したい。(水)

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