ウポポイ入場無料年間パス 申請3割にとどまる 白老町

ウポポイ入場無料年間パス 申請3割にとどまる 白老町
無料化事業の年間パスポート。申請した人は対象者の3割にとどまった

 白老町が町民を対象にしたアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)の無料化事業で、1年間入場が無料になる年間パスポートの申請人数が対象者の約3割にとどまっている。申請の受け付けは29日で締め切るが、約7割が申し込まなかった状況に町は「ウポポイに関心のない町民も多いことの表れ」とみる。無料化事業は今年度で終了するが、町は「今後、町民のウポポイ利用を促すPR活動に努めたい」としている。

 町の無料化事業は、入場料が有料となる高校生以上の町民を対象にはがきを送付。届いたはがきと本人の確認書類、顔写真を用意し町役場で申請手続きをした町民に後日、年間パスポート(発行から1年間有効)を郵送する。年間パスポートを希望しない町民は、はがきと身分証明書をウポポイに持参すると、1回のみ無料で入場できる仕組みとなっている。

 町はウポポイ開業後の昨年7月に対象者にはがきを郵送。今年1月26日までに年間パスポートを申請した町民は、昨年6月の町民向けウポポイ内覧会時に申し込んだ人(1381人)を含めて5038人となり、対象者1万5690人の32・1%にとどまった。

 また、1回券で入場した町民は昨年12月末までに198人で、これと合わせると町の無料化事業の利用者は対象者全体の33・4%となった。

 今年度限りの無料化事業は、地元で開設されるウポポイへの親しみを町民に持ってもらいたい―との考えから実施。年間パスポートの申請受け付けが29日で終了を迎える中、「これまでの申し込みが3割程度となったのは、ウポポイへの関心がない町民も多いことを示しているのではないか」と町アイヌ総合政策課の担当者は言う。町民のウポポイ利用を促すため、「今後、町の広報やホームページを通じて施設をPRするなど、実際に足を運んでアイヌ民族の歴史や文化に関心を持ってもらう取り組みを進めたい」と話す。

 一方、申請受け付けの終了を前に駆け込み的に手続きを取る町民が増えており、担当者は「あす29日まで受け付けているので、希望者は申し込んでほしい」と呼び掛けている。はがきを1回券として使う場合、利用期限は今月末までとなっている。

 問い合わせは町アイヌ総合政策課 電話0144(82)7739。

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