白老町は28日、町制施行70周年の2024年度に発行する新しい町史の編さん委員会を立ち上げた。町史の発行は1992年の「新白老町史」以来で、平成時代を中心に白老の足跡を浮き彫りにする。
町は町制施行20周年の1975年、先史時代から昭和40年代を記述範囲とした「白老町史」(1200ページ)を初めて発行。92年には先史時代から平成初頭までを網羅した「新白老町史」上下巻(計3000ページ)を出した。第3弾となる新しい町史は、町制施行70周年記念事業として発行し、新白老町史に連結する形で平成から令和の時代にかけた町の動きを体系的に収録。構成は「郷土のあらまし」「自治・行政」「産業・経済」「教育・文化・スポーツ」「福祉・保健・医療」など8編41章(1000ページ)を想定し、主に少子高齢化や情報化、グローバル化の進展で社会・経済情勢が激変した平成時代の白老の歩みにスポットを当てる。
また、昨年7月のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)の開業も、アイヌ民族をはじめ白老町の大きな出来事として詳しく取り上げる。
発行に向けて町は、編さん方針や全体構成の決定、原稿内容のチェックに当たる委員会を設置。福祉や教育、商工業、行政、アイヌ文化など各分野の関係者8人の委員で組織し、28日に町コミュニティーセンターで初会合を開いた。
会合には委員や町の課長職でつくる町史編さん準備委員会メンバー、町教育委員会の担当者、執筆・編集業務を受託した出版社ぎょうせい(本社東京)北海道支社の社員ら20人余りが出席。編さん委員会の委員長に選出された元副町長で行政相談委員の白崎浩司さんは「委員の各分野の経験を生かして素晴らしい町史を作り上げたい」と述べた。
作業では今年度から24年度にかけて、ぎょうせい社員らが中心となって資料の収集や整理、原稿執筆に当たり、アイヌ史など一部専門的な執筆はアイヌ文化研究者の委員が担う。発行関連予算は約4000万円を見込んでいる。委員会は今後、原稿チェックなどで断続的に開催し、委員の任期は今年度から24年度まで。
白崎委員長を除く各委員は次の通り(敬称略)。
▽副委員長 山田和子(元町議・町青少年育成町民の会会長)▽委員 有江則雄(元学校長)、岡田路明(苫小牧駒沢大学客員教授)、笠井雄太郎(白老青年会議所理事長)、庭山了(町社会福祉協議会事務局長)、横山秀人(元学校長・教育指導員)、渡邊裕美(元教育部長)

















