ささやかな支援

ささやかな支援

 札幌市に住む知人から年初に届いた年賀状に「コロナで行きつけのススキノの店が3軒つぶれました」と残念そうなコメントが記してあった。考えてみると、新型コロナウイルスの感染拡大が報じられるようになった昨春以降、「夜の街」から遠ざかるようになった。自分が感染したら家庭も職場も「日常」を失い、混乱することを考えると、どうしても足が止まってしまう。

 何よりも高齢・基礎疾患持ちとなれば、いや応なしに「自制心」が働く。普段はマスク着用、手指消毒、三密回避の基本行動を徹底し、感染リスクを押し下げる。それが自分の命を守る一番の鉄則だ。コロナ患者で逼迫(ひっぱく)する医療機関への間接的な支えにもつながる。

 コロナは全てにおいて容赦ない。飲食、観光業が一番の大打撃を受けている。誰かが繰り返し強調する「自助・共助・公助プラス絆」。この「共助」のところで何かできないか。地域経済を下支えしてきた、なじみの店がのれんを畳んでしまうのは何とも寂しい限りだ。

 苫小牧市中心部の飲食店が多く加盟する町内会が近くアイスキャンドルを並べ、「光の道」を演出するそうだ。コロナ禍の地域を盛り上げようと計画。飲食に限らず「頑張る店」を応援したい。その小さな積み重ねが励みとなり、力になるはずだ。

 わが家は食卓テーブルの上に最近、切り花を飾るようになった。心に潤いを届けてくれる、ささやかな支援の一つ。(教)

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