雪だるまが二つ並んでいる。札幌市中央区の時計台前。記念写真用に造られたのかもしれない。今年は史上初めて雪まつりが中止になり、観光客の姿はほとんどない。あすはいつもより1日早い立春。コロナ禍で寂しい季節が行く。
ちょうど1年前のさっぽろ雪まつりの取材風景を、思い出している。開幕直前の1月28日に、中国・武漢市から来道した40代女性の感染が道内で初めて確認。まつり会場も緊張感は漂わせていたものの、マスク着用はスタッフのみ。来場者の半数以上は着用していなかったような気がする。まつりが終わって間もなく、全国に先行する形で北海道に感染拡大の「第1波」が襲来。以来、波は高低を繰り返し、昨年11月からは「第3波」が続く。感染者は1万7000人を超え、死者も607人を数えた。
前例のないコロナ禍で浮き彫りになったのが、全国の都道府県知事たちの決断力とリーダーシップの差。国内で初めて独自に「緊急事態宣言」という言葉を使って、道民に外出自粛を要請した鈴木直道知事は、先週の定例会見で「見えない敵と闘う中で、接触機会を減らすということは、大きな方向性としては間違いではなかったのではと思う」と振り返った。
感染者の初確認から1年。知事は「まだ分からないことがいっぱいある」と説明。「その時におけるベストの判断をしていかなけれはならない」と苦渋の決断が続く。難解なコロナとの闘いは、2年目に入る。(広)









