13日深夜に起きた地震は、2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の余震らしかった。宮城県と福島県で最大震度6強を観測、揺れは北海道から中国地方まで広範囲に及んだ。津波こそなかったが、被災者たちは10年前の震災を思い出し、寒中の停電で暖も取れず、震える夜を過ごしたのでは。
私たちは東日本大震災の揺れと津波から、大事なことを学んだ。世界一と評された防波堤が津波で壊れ、ハード面の防災には限界があるということ。発電所から放射能が漏れて住めない地域ができ、原子力発電はクリーンエネルギーではないということ。「1000年に1度の大地震」は、次の瞬間に起きるということ―。
今では自宅、町内会館、社内などで防災用品を備えるようになった。ハード面だけでなく、人の絆による防災救助体制を整えた。ただ、原子力発電から代替エネルギーへの転換は、残念ながら途上にあり、未解決の課題は残っている。
日本は地震の多い地震大国。そこで暮らす私たちは、子どもの時から防災ための知識や行動を身に付け、防災上の課題が分かれば、どんな小さなことも、難しいことも、一刻も早く策を講じるべきだ。被災者の涙や苦悩、失われた命を無駄にしてはならない。それに今は、1000年に1度どころか、「30年以内に70%の確率で起きる」と首都直下地震が予測されているのだから。(林)









