「どうしてこんなにかわいいのだろう」―。昔流行した演歌のフレーズのようだが、シマエナガの話。小さく白いふわふわな「雪の妖精」とも言われる鳥だ。首をかしげるしぐさは多くの人をとりこにし、よわいを重ねた記者も思わず心を奪われた。一度、本物を見てみたいが、動きが素早くカメラに収めるのも難しいらしい。写真撮影が趣味という苫小牧の男性歯科医によると、よく止まる木の枝を探しだし、望遠レンズでじっと待ち構えるのがコツとか。その歯科医院の待合室にはそんな瞬間を切り取った写真がずらり。待ち時間が楽しくなる空間だ。
シマエナガには会えずとも、朝に出くわすスズメだって案外かわいい。通勤ルートでよく姿を見せてくれるので細君に「すずちゃん、めんこい」とスマホのメールで伝えたら、「すずちゃんとは誰ですか?」とやや詰問調の短い返信。決して送り先は間違っていない。ただ、純粋に伝えたかっただけなのだ。努めて冷静に理由を説明するも「ふーん」とわずか3文字。誤解を招きかねない言葉やメールには気を付けたほうがいい。
その後、晩酌をしながら改めて小鳥の魅力を熱く語ったところ、シマエナガが描かれたTシャツを買ってきてくれた。少々気恥ずかしいが、着るしかない。いや、着させていただこう。そんなシマエナガはウトナイ湖畔の森で観察できるらしい。もらったTシャツを着て妖精探索の旅に出てみようか。(隆)









