ＮＨＫ総合テレビで「大人になっても続く？　早生まれの不利」の話題が取り上げられて笑いながら見た。自分は実は早生まれなのだ。

　１月から４月１日までに生まれた人が法律上「早生まれ」。４月初旬に生まれた人に比べて成長にほぼ１年の差があり、親は「大丈夫か」と心配する。その差は幼時だけにとどまらず統計的には大人になっても続く―と東大大学院教授が昨年夏に論文を公表した。やり抜く力、感情を制御する自制心、他人とよい関係を築く力など「非認知能力の育成」に目配りが必要との趣旨らしい。入学した高校の偏差値に差がある、アメリカなどでは３０～４０歳で収入に４％の差―などの統計もあるそうだ。

　自分は３月の、それも月末の生まれ。高校生の頃、誕生日を知った友人から冗談で心配されたことがある。体は小学校入学の頃から大きく、席は常に後ろの方だった。学力は１番ではなく、窓の外を見てボーっと過ごしていたから能力の差はあったかもしれない。運動会の徒競走も、いつも３位止まりの記憶しかない。１位になろうとする意欲の欠落は隠せないものだ。学級や生徒会の役員はそこそこ務めたものの、統率力や人望はさてどうか。近くに高校の同級生が住んでいて時々、大声で電話をかけてくる。彼女は４月上旬の生まれ。脂肪量と声量の差は今でも開き続けるばかりだ。

　４月に、孫の一人がランドセルを背負う。長身で少し短気な堂々とした４月生まれだ。（水）