胆振で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されてからきょう22日で1年。その後、パンデミック(世界的流行)期に入り市民生活は大きく変わった。マスク着用の生活が当たり前になり、家族以外との外食機会は極端に減少。日々、自治体単位の感染者数を気にするようになった。道が公表する新規患者の居住地は原則、振興局単位のため胆振管内の事業所や店舗でクラスター(感染者集団)が発生するたび「どこ?」とまち全体が騒然となる。SNS(インターネット交流サイト)上では臆測が拡散。当事者以外も巻き込んだ風評被害が起きており、公表の在り方はコロナ禍で山積する課題の中でも大きなテーマの一つだ。
道内でもようやく始まったワクチン接種。流行収束の切り札として期待が集まるが「脱コロナ」までは年単位の時間がかかるとの見方もある。対策への緊張感に緩みが生じれば、感染が再拡大する恐れがある。繁華街に活気が戻る日を願って店を開け続けるスナックのママ、大人の心配をよそにはつらつと過ごす児童、孫との再会の日を励みに健康増進に努める男性…。先週まで本紙社会面で連載した企画「続・暮らしの記録」では、日常の変化を受け止め、自然体でコロナと向き合う人たちに登場いただいた。
「闘い」はまだ続く。誰もが息苦しさを感じている時代。市民の暮らしの中から未曽有の感染症と共存するヒントを発掘、提供していきたい。(輝)









