むかわ

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 むかわ町が、向こう10年を目標にした「第2次まちづくり計画」の策定に取り組んでいる。胆振東部地震の復興計画など個別計画を集約したまちづくりの最上位プラン。条例に基づき、広く町民参加を求めた委員会を常設して議論を積み上げた。戦略的な重点事業をはじめ、雇用対策や農林漁業の振興、子育て環境の充実、中心市街地の振興など町民目線の事業を盛る。この春、新しいまちづくりをスタートさせる。

 その理念は、新型コロナウイルスの時代でもぶれることはない。旧鵡川町と旧穂別町が合併した2006年、新町建設の方針に掲げた「人と自然が輝く清流と健康のまち」。人口減少を正面から受け止めながら、豊かな自然の中で生き生きとした生活が営めるまちづくりを普遍として目指す思いを支持する。

 現実に山積する課題の一つに、産業とまちの象徴であり、誇りと自慢でもあるシシャモ資源の安定がある。町の未来を志向する上で欠かせない。かつて100トンを超えた水揚げは昨年わずか3トンで、近年の減少傾向の中でも不漁の極みだった。生産者、加工・小売業、飲食店、観光など産業をはじめ町民の意識面での衰退感など影響は大きい。希望は町が来年度の着工を目指す専用の新しいふ化施設だ。生産者、行政、研究機関が連携して固有の資源であるシシャモ漁の安定化を図りたい。むかわはアイヌのシシャモ(柳葉魚)伝説が根付く地。物語の里の未来を力強く描くために。(司)

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