アイヌ文化に理解を深める講座「大地連携ワークショップ~風の谷のトウ」がこのほど、平取町内で開かれた。全国の大学生・大学院生ら45人が4泊5日の日程で参加し、アイヌ文化の古式舞踊、木彫り、伝統料理作りなどを体験した。
ワークショップの最終日に札幌大学の豊田星哉さん、立命館大学の遠藤亮磨さん、山中麻衣さん、奈良女子大の砂原亜美さんの4人の学生がそれぞれ体験発表した。
それによると、二風谷地区の8割以上がアイヌにルーツを持っていて、木の皮を繊維にしたアットゥシ織などアイヌ民族の工芸品は高い価値があるとした一方、地域にアクセスしにくい点や発信的でない文化継承活動が課題と指摘した。
文化継承の発信策としては、二風谷を舞台にした文化継承シミュレーションゲームの製作を提言した。ゲームで文化を疑似体験できることや「文化に触れたことがなかった層へのアプローチ」「ゲーム性により多言語対応が可能」などと説明。学生団体、学校間とのコラボや、西陣織とアットゥシ織職人との交流も面白いと解説した。
また、地理的に観光客が訪れにくいことから「路線図と駅の形状をアイヌ文様にし、空港の待合室をチセにする。健康志向の人たちへのPRとして保存技術を生かした栄養価の高い食材を提供するカフェも開店しては」など、若者らしい新鮮な感覚の提言もあった。

















