白老町消防本部のまとめによると、2020年の救急出動は904件となり、前年比で120件減ったほか、過去10年間で最も少なかった。出動要請の中心を占める急病が前年より15%減り、交通事故の出動は半減した。特に交通事故に伴う出動の大幅減について同本部は「新型コロナ感染拡大に伴う外出自粛で、事故に遭うケースが減ったのではないか」と推測する。
主な出動の内訳は、急病が580件で前年比94件減。交通事故は29件で、前年より28件少なかった。一般負傷は前年比10件増の113件。自損は3件増えて10件だった。この他、転院搬送が14件減の132件。前年に2件あった水難事故の出動は、20年はなかった。
近年の出動件数を見ると、16年980件、17年992件、18年987件と推移。19年は1024件と統計史上で初めて1000件を超えたが、「20年は近年に見られない少なさとなった」と同本部。背景については「感染予防のため外出行動を抑制させたコロナの影響もあるのでは」とみる。事故などに伴う救助出動に関しても20年は、前年比7件減の5件にとどまった。
新型コロナは現場到着時間にも影響を与えた。20年は平均9分9秒となり、通常より30秒ほど延びた。発熱や呼吸器症状などを訴える急病の出動時には、救急隊員の感染防護策を講じる必要があるため、到着時間が若干遅れる形となった。
一方、20年の火災発生は6件で、前年より1件増えた。けが人は2人で、死亡者はいなかった。
内訳は建物火災が3件、車両火災も3件。昨年1月に大町で発生した住宅火災では、建物が全焼し、住人2人がけがを負った。まきストーブの火の不始末が原因とみられる。
今年も1月に大町で住宅全焼の火災が起きており、同本部は「火の取り扱いには十分に注意してほしい」と呼び掛けている。

















