苫小牧広域森林組合の2021年度通常総代会が25日、むかわ町四季の館で開かれた。現在、町内穂別和泉にある製材工場の隣接地で新たに製材工場を建設することを含む議案10件を原案通り可決した。
同組合によると、現在の製材工場は1991年に建設。稼働から30年ほどがたつことによる老朽化に加え、2018年9月に発生した胆振東部地震で機械が故障したり、加工精度が著しく落ちるなどしていた。
新製材工場では、現在の製材工場より受け入れを拡大することでより多くの原木を集荷し、増収も図っていく。建設工期は4月から来年3月を予定。事業費は11億5800万円をみている。
このほか、築47年になる苫小牧市内の組合第2ビル(苫小牧支所)について、ビル事業の員外利用率増加に伴って森林組合法に抵触している―と道の検査でも指摘を受けていることや、建物の経年劣化の状況を踏まえ、譲渡処分することも決定した。
新年度事業では、1年延期となった全国育樹祭が10月に開催予定であることから、職員派遣や担い手不足の解消に向けた取り組みへの協力などを盛り込んだ。
総代会であいさつした小坂利政代表理事組合長は「コロナ禍において、新生活様式によるビジネスを展開していかなければいけない状況だが、組合員の意見を多く聞き取り、森林整備に対して最も有益な事業を推進し、山林所有者の身になった情報発信に努めていく」と結束を呼び掛けた。

















