日本野鳥の会が根室市の野生鳥獣保護区事業所をウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター(苫小牧市植苗)内に移転したのに伴い、同事業所のチーフレンジャー松本潤慶さん(39)が15年ぶりに苫小牧に戻った。松本さんは「ウトナイ湖には昔のままの自然が残っている」と目を細め、精力的に活動に励んでいる。
福島県会津若松市出身。家族が同会の会員で、幼い頃から探鳥に親しんだ。富山大学で淡水魚を研究し、卒業後の2004年にウトナイ湖サンクチュアリに着任。2年間、見学者対応や調査、観察会の開催などに従事した。
その後、石川県加賀市の鴨池観察館で外来種のオオクチバス防除に取り組み、08年から根室市の同事業所に勤務。タンチョウやシマフクロウが生息できる湿原や森林環境を守るため、巡回や植樹、企業と連携した保護活動に携わった。その成果もあり、タンチョウとシマフクロウの生息域は道央にまで拡大しつつある。タンチョウはウトナイ湖周辺でも見られ、シマフクロウも日高山脈以西で確認されている。
同事業所は昨年12月、道央地域での保護活動に取り組むため移転され、松本さんは今月赴任した。「胆振方面への生息域拡大も予想される。苫小牧で保護のための体制を整えたい」と強調する松本さん。15年ぶりの苫小牧について「人と自然の距離が近く、開発と保護の折り合いをどう付けるかが課題。まずは市内の野生鳥獣の状況を把握したい」と話している。
















