距離を保ちつつも元気でいること確認して  こころのケア講演会  むかわ

距離を保ちつつも元気でいること確認して  こころのケア講演会  むかわ
震災から時間が経過して起こるストレスや緩和法などをアドバイスした河岸さん

 むかわ町は2日、同町道の駅「四季の館」で「こころのケア講演会」を開いた。「かうんせりんぐるうむかかし」(千歳市)の臨床心理士、河岸由里子さんを講師に迎え、心の健康について考えた。

 河岸さんは、震災後に起こる傾向について「最初はみんな同じ被災者で助け合いや支え合う気持ちがあるが、時間がたつことで他の問題が出てくる」と説明。一例として経済的問題から「改めて喪失感を感じ始める。災害によるストレスは家や生活が建て直されても、将来的な不安として残る」とし、やがて心身に影響を与えることを指摘した。

 また、地域で顔見知りだからこそできる▽声の掛け合い▽1人暮らしの人が孤立しないための活動―の必要性も強調。ただ「人と関わるのが苦手な人もいるので無理はしない」、新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえながら「距離を保ちつつも、元気でいることを確認して」とも呼び掛けた。対応が悪い人や外に出たがらない人に対しては「嫌がらない程度の声掛けやあいさつだけでも変わってくる。態度に惑わされないで」とアドバイスを送った。

 この後、運動や入浴による発汗、映画などを見て泣く、歌などで大声を出す―といったストレスの発散法や呼吸法などもレクチャーした。

 講演会は復興支援の一環。当初は昨年3月の予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、改めて開催する運びとなった。

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