白老町が第4期障がい者福祉計画案 手話言語条例など制定へ 多様化するニーズに対応

白老町が第4期障がい者福祉計画案 手話言語条例など制定へ 多様化するニーズに対応

 白老町は、2021~26年度の6年間を期間とした第4期障がい者福祉計画案をまとめた。障害のある町民が自分らしく生活できるまちづくり―を基本理念にした施策の方向性を示し、23年度までに手話言語条例と意思疎通支援条例を制定する方針も盛り込んだ。町は今後、成案化し、多様化するニーズに対応した障害者施策を推進する。

 新計画は、第3期が今年度で終了するため策定し、障害者やサービス事業者、福祉団体などの意見を踏まえて計画案をまとめた。

 計画の基本理念は「障がいのある方が自分の意思により自分らしく生活できるまちづくり」。障害者がライフステージに応じた支援やサービスを受けながら、地域活動や就労、教育など社会活動に参加できるまちづくりを推進する方針を掲げた。

 理念の実現に向けて▽障がいや障がい者に対する理解の促進と権利擁護の推進▽自立した生活と意思決定支援の促進▽安心安全に地域で生活できる環境づくり―の三つの基本目標を設定。これに伴う施策の方向として、福祉教育の充実、成年後見制度等の利用促進と虐待防止の推進、地域福祉ネットワーク強化、公共施設のバリアフリー化促進、相談窓口の充実と相談支援体制の強化―など10項目を盛り込んだ。

 具体的な施策としては、聴覚障害者のコミュニケーションを支えるため、公共施設3カ所の窓口に通訳サービス提供のタブレット端末を設置。手話や要約筆記の普及を促すため、23年度までに手話言語条例を制定する方針も示した。聴覚障害以外、さまざまな理由で意思疎通が困難な人々への理解促進と支援に向けた意思疎通支援条例も同年度までに制定を目指すとした。

 この他、障害者が安心して暮らす権利を侵害されないようにするため、成年後見センターや虐待防止相談窓口を設置し、支援体制を強化。公共施設の段差解消や勾配の改善、視覚障害者誘導用ブロック設置などまちのバリアフリー化を促進するとした。さらに、障害に応じた住宅改修を行う場合に費用の一部を助成。緊急時や災害時に周囲へ支援を求めやすくするための「ヘルプカード」普及にも取り組む方針も示した。

 町は福祉サービスの必要量などを示した「第6期障がい福祉計画」(21~23年度)と「第2期障がい児福祉計画」(同)の3カ年計画案も取りまとめ、第4期障がい者福祉計画と連動させながら事業を展開する。

第4期計画案の基本目標と施策の方向

■障がいや障がい者への理解促進と権利擁護推進

 ▽啓発・広報活動の推進

 ▽福祉教育の充実

 ▽成年後見制度等の利用促進と虐待防止 の推進

■自立した生活と意思決定支援の促進

 ▽地域福祉ネットワーク強化

 ▽相談窓口の充実と相談支援体制の強化

 ▽障がい福祉を支える人材の確保と育成

■安心安全に地域で生活できる環境づくり

 ▽公共施設等のバリアフリー化促進

 ▽防災・防犯対策の充実

 ▽情報提供と意思疎通支援の充実

 ▽福祉的就労の充実

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る