一般会計89億2500万円 厚真町21年度予算案 強靱なまちづくり 復興へ向かう事業 積極的に

「震災からの復興への道を踏み出す予算」と説明する宮坂町長

 厚真町は4日、町総合福祉センターで記者会見を開き、2021年度予算案を発表した。一般会計は20年度当初予算比24・7%減の89億2500万円。宅地耐震化といった強靱(きょうじん)なまちづくりなど、胆振東部地震の復旧から復興へ向かう道筋を立てると同時に、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策を中心に予算を編成し、事業に盛り込んだ。

 特別会計を含めた総額は112億1470万円。地震で自宅を被災した町民が災害公営住宅に移り住むなど災害復旧事業がおおむね完了したことに伴い、20年度比で21・1%減となったが、宮坂尚市朗町長は「(震災前の)通常年度よりは5割ほど多い大型予算になっている」と説明した。

 歳入は、町税が固定資産税の償却増により15億5700万円と20年度比で2・7%増。地方交付税は人口減少に伴い1・4%減の22億6500万円、災害復旧工事の完了などにより国庫支出金は69%減の9億6200万円、町債は57%減の10億900万円。

 歳出を見ると、総務費がエネルギー地産地消事業、サテライトオフィスの整備などを想定して61・3%増の12億9700万円、厚真高校の魅力化を図る取り組みなどを目的とした教育費は28・3%増の6億1200万円、コロナの影響を受けた小規模事業所への支援に充てる商工費で60・3%増の3億6200万円を見込む。

 土木費は災害復旧工事はほぼ完了し、53%減となっているものの、道路維持などに係る費用として18億6100万円と大きく計上している。

 震災関連の事業は今年度に引き続き、豊沢地区の移住者向け住宅地「ルーラルビレッジ」と新町地区の宅地耐震化の整備に7億9800万円と大規模な事業費を投入する。被害が大きかった富里地区に建設する、集会所の機能を持つ北部地域の防災施設整備には1億8300万円を充てた。

 このほか、太陽光発電や被災木を再利用するバイオマス発電の整備など大規模な災害を想定したエネルギー地産地消事業に4億4000万円を計上。ポストコロナ社会を見据えた新生活様式の確立に向け、町外企業などが利用できるようなムービングハウスを使ったサテライトオフィスの整備(2500万円)などを盛り込んだ。

 宮坂町長は「復旧期の課題がある中で、復興への道のりに向かう準備をしていかなければいけない時期にきている。この道のりを力強く踏み出す事業を積極的に展開する」と強調した。

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