年に一度の健康診断を受けると必ず指摘されるのが不整脈の兆候。運動選手によく表れることが多いそうで、最悪の場合は突然死に至る怖い病気だ。数年前にアイドルグループの女子高生が急死したのも不整脈が原因とされ、発症に老若男女の区別は無いようだ。
そんな危険因子を抱え、「血液さらさら」の薬を毎日服用する。不規則な心臓の拍動で血管内に血栓ができるのを防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞といった重大疾病につながるリスクを低減するというものだ。少しでも医療費を抑えたいと思うのが患者の心情で、割安なジェネリック医薬品(後発薬)を所望すると、医師から「納豆と野菜は極力控えて」との忠告を頂いた。
後発薬の存在は自分のような患者にとってはありがたいもの。国も医療費抑制のため利用を推奨する。ただ、最近後発薬メーカー2社の不祥事が相次いで発覚。口径用の水虫薬に睡眠導入剤を混入させたり、品質不適合の製品を国が認めていない方法で再加工して送り出したりするなど傍若無人な行為が目に余り、医薬品の無謬(むびゅう)性を疑うことが無かった国民の信用を失墜させた。長期の営業停止の処分は当然である。
くだんの医師の「納豆と野菜は―」の言葉を忠実に守るのはなかなか厳しい。血液検査の結果を見た医師が疑いの目を向けつつ、「何を食べても大丈夫な薬もあるよ」とお墨付きの新薬に処方変更。食べ物「無制限」の代償は、高くつく。(教)









