石橋さん 故郷苫小牧拠点にこだわりのコーヒー豆をオンライン販売、コロナで職失う不遇に負けず「いつか自分の店を」

石橋さん 故郷苫小牧拠点にこだわりのコーヒー豆をオンライン販売、コロナで職失う不遇に負けず「いつか自分の店を」
コーヒーの魅力を語る石橋さん

 新型コロナウイルス禍により、東京都内で職を失う憂き目にも負けず、自宅を拠点にコーヒー豆のオンラインショップを立ち上げた人がいる。苫小牧市もえぎ町の石橋広大さん(23)。故郷・苫小牧に戻り、「スペシャリティーコーヒー」を販売。上質な豆を届けるため焙煎(ばいせん)機に向き合う日々で、「いつか市内に自分の店を持ちたい」と意気込む。

 苫小牧工業高校を卒業後、専修大学法学部で商法を専攻。在学中はアイスホッケー部に所属し、練習に励んだ。

 コーヒーとの出合いは大学1年。カフェでコーヒーについて勉強する中で豊かな味わいに魅力を感じた。自らドリップ器具で入れ、豆の産地や焙煎の度合いによって違う味と奥深さに引き込まれた。

 大学3年になった2019年、東京都内のコーヒーショップでアルバイトを開始。焙煎とドリップの技術はこの時に身に付けた。熱心な勤務態度をオーナーに見込まれ、同年秋、20年4月に開店予定の新店舗の店長にならないかと打診を受けた。「大好きなコーヒーに関わることができる」。迷いはなかった。

 しかし、状況は一変。新型コロナの感染拡大で来店客が激減すると、新店舗の開業めどは立たなかった。大学卒業後は正社員として同じ店で勤務を続けていたが、同年4月末に解雇を伝えられた。「悲しかった。これからどうしよう」。途方に暮れ、同年7月に帰郷した。

 その後、苫小牧では、あえてコーヒーから目を背けた。父の会社を手伝いながら、未練を振り払うように就職活動を続けた。だがコーヒーへの思いをなかなか断ち切れず、焙煎機に向き合うと沈んだ心が晴れる自分もいた。「東京では飲んで『おいしい』と言ってもらえるのが楽しかった。それを苫小牧でやりたい」。昨年12月、焙煎機を購入。自宅を作業場にしてオンラインショップ「ISHIBASHI COFFEE」を立ち上げた。

 扱うのは「スペシャリティーコーヒー」。風味豊かで、生産農園と流通経路が明確、品質管理が適正に成された上質な豆だ。東京の商社から仕入れ、個性を生かして引き立てるように自家焙煎する。エチオピア2種類、グアテマラ、コスタリカの浅煎り4種類、マンデリンとブルンジの深入り2種類を扱う。価格は100グラム790円(税込み)から。郵送は別途送料。

 昨年12月末にオンラインショップを開設すると、1カ月かけて販売予定だった豆が10日ほどで完売するほど好評。顧客は少しずつ増えている。

 「日常の中のささやかな楽しみとして、おいしいコーヒーを飲んでもらいたい。それが僕が焙煎した豆ならうれしい」。自身が経験したコロナ禍の不遇をばねに、将来を見据える。

 「ISHIBASHI COFFEE」のアドレスはishibashicoffee.stores.jp

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