厚真町商工会会長として商工会の運営、町の発展に貢献した寺坂文秀さん(71)が2020年度北海道産業貢献賞を受賞した。12日に町役場で受賞を報告し、「身に余る光栄。皆さんのおかげです」と喜びを語った。
寺坂会長は1988年から町商工会の理事になり、2007年に会長職に就いた。この間、苫東立地企業の加入推進など商工会の基盤強化に努めた。近年は町外からの若手経営者らも積極的に受け入れ、十数年前まで120人前後だった会員数を現在の141人まで拡大させた。
18年9月の胆振東部地震があった際には、被災町民に対して全ての避難所で炊き出しのほか、生活再建に係る物資供給支援などを行政と連携して精力的に展開。復興に向けて被災企業への補助金申請のサポートや国の助成による仮設店舗の建設など国への要望活動にも尽力し、地元商工業者の支援に手腕を振るった。
現在は長期化する新型コロナウイルス感染拡大の影響などを懸念しながら、「会員を減らさないよう、この難局を乗り越えていきたい」と気を引き締める。「商店街は町の顔。店のシャッターが下りないような商店街づくり、会員の皆さんへのきめ細かいサービスをしていく。町民のニーズに応えた商店街につながれば」と意欲を示す。
宮坂尚市朗町長は「人口減少、少子高齢化の時代の中で地方の産業を維持発展させるのは難しい問題だが、胆振には目玉になるものがある。高みを目指し、引き続きけん引してもらいたい。町の付加価値を高め、田舎バージョンの新しいモデルをつくってもらえたら」と激励の言葉を述べた。

















