むかわ町のネイチャー研究会inむかわのメンバーらで組織する「むかわタンチョウ見守り隊」は、町内で生まれたタンチョウの姿を描いた絵本「むかわタンチョウ物語」(非売品)を発行した。見守り隊は「厳しい環境の中でたくましく育つ様子を子どもたちに伝えたい。懸命に生きる命の輝きを感じてほしい」とアピールする。
絵本はA4判で、カラー刷りと解説付きの計30ページ。町内で生まれたひなが、両親と共に場所を移動しながら成長し、親と別れるまでを架空の物語に置き換え、一冊の本にまとめた。
専修大学北海道短期大学の正富宏之名誉教授が監修し、隊員の小山留美さんが絵を描いた。製作費は90万円で、一般財団法人前田一歩園財団(釧路市)とむかわ町の助成を活用している。
町内におけるタンチョウは、2011年に2羽が鵡川河口で夏を過ごすのを確認したのが始まり。見守り隊は、15年に2羽のひながカメラマンに追い回されて死んだ事故がきっかけとなって翌年に結成された。タンチョウの巣作りや日々の生活をそっと見守る活動を行っている。絵本は18年に生まれたひながモデルとなった。
見守り隊は、町教育委員会を通じて絵本を町内の小中学校、高校に配布するほか、図書館にも置いてもらう考え。小山内恵子代表は「見守り隊一人ひとりが(絵本の主人公の)りょうた君と同じ思い。子どもたちが読んで、楽しいなと思ってもらえたら」と話している。

















