胆振、日高、渡島地区の漁業協同組合などで組織する「えりも以西栽培漁業振興推進協議会」のマツカワ魚価対策プロジェクトチーム(PT)は2021年度、マツカワの加工品開発を計画している。コロナ禍による高級魚の価格低迷や、従来型イベント開催の困難さを逆手に取り、発想を転換して新規事業に乗り出す。
マツカワは卸売平均単価が1000円を超える高級魚。体長35センチ以上の大ぶりなものは「王鰈(おうちょう)」のブランド名があるが、コロナ禍で飲食店需要が減り、取引価格が低迷していた。えりも以西太平洋海域では20年度(1月末現在)、水揚げ量は83トンで前年同期比23・4%減の品薄にもかかわらず、価格は約8881万円の同33・8%減とさらに下落していた。
また、季節によって水揚げ量が大幅に異なるため、年間を通した安定供給が難しく、1キロ当たり単価も大きく変動する課題があった。特に4~6月は年間水揚げ量の3~4割を占める盛漁期だが単価は底値。20年度も5月の平均単価583円に対し、最高値は8月の同2202円。PTリーダーの赤澤一貴同漁協総務部長は「加工品ができれば、出荷調整や価格の平準化につながる」と期待する。
11日に苫小牧漁協水産会館で開いたPT本会議で、21年度事業計画案などを確認した。加工品開発をイメージしやすいよう、ふぐ刺しのようにスライス、盛り付けして冷凍加工したものを用意。管内の漁協、自治体関係者ら参加者約30人が手に取りながら「コロナでイベントが開けない中、いい試み」「巣ごもり需要が増えているのでチャンス」などと賛成した。
一方、コロナ前に計画してきた大規模消費拡大イベントと新ブランド規格「新王鰈」のお披露目は延期。21年度は加工品開発に力を入れ、22年度の「新王鰈」活用を展望しており、赤澤リーダーは「コロナ禍のピンチをチャンスに変え、価格が低迷する『春のマツカワ』を売り込んでいきたい」と話している。
19日に同協議会が承認すれば、正式決定する。



















