苫小牧市澄川町のカフェテラス一番館に今月、昇り龍をあしらった縦2メートル×横1・9メートルの巨大絵キルトがお目見えした。作者は市内しらかば町でキルト教室「花みずき工房」を主宰する石見安子さん(68)。2018年6月から今年2月まで約3年間を費やし、完成させた力作だ。石見さんは「上り調子で、コロナに打ち勝つ一年に―との願いを込めた」と言う。
石見さんはしらかば町の自宅兼工房で、市民にキルト制作を教えている。絵キルトは、多色の布を縫い合わせたパッチワークキルトの技法を用いた絵画的キルト。これまで石見さんは中世ヨーロッパや童話、宇宙などをテーマに据えることが多く、龍などのダイナミックな題材を扱うのは初めてという。
新たなテーマ設定に思い悩んでいた3年前の初夏、一番館の常連から龍を勧められたことが今回の制作のきっかけ。人気漫画「ドラゴンボール」をヒントに、宇宙に飛び出す昇り龍の下絵を描いた。
綿やサテン生地を使った巨大絵キルトは、細かい波しぶきを表現するためにビーズを縫い付けたり、光を演出するため赤や青、黄色などの糸を使い分けて細やかな縫い取りを施したりした。石見さんは「荒々しい波や宇宙に舞い上がる際に巻き起こる風のうねり、渦の表現に苦心した」と振り返る。
石見さんにとって、作品展示は12年11月に教室展を開いて以来8年4カ月ぶり。20歳の時から交流があり、苦心しながら巨大絵キルト制作に取り組んでいることを知った一番館の店主・中山睦子さん(79)が店内での常設展示を希望した。
「昇龍の前向きなメッセージを多くのお客さんと共有できたら」と中山さん。石見さんは「初めて挑むテーマで戸惑うことも多かったが完成し、多くの人の目に触れる場に飾ることができてうれしい」と喜ぶ。
一番館の営業時間は午前10時~午後7時。日曜定休。
















