JR日高線 別れ惜しむ 廃止前に多くの鉄道ファン

JR日高線 別れ惜しむ 廃止前に多くの鉄道ファン
静内駅で入場券などを買い求める鉄道ファン

 JR日高線(鵡川―様似間116キロ)の4月1日廃止を前に20日、21日の連休を利用して道内外から多くの鉄道ファンが主要駅の静内、浦河、終着の様似駅などを訪れた。ホームで記念撮影したり、記念品などを買い求めたりした。

 高波被害を受けて2015年1月から不通となり、そのまま6年を経過し廃線となった日高線に別れを惜しむ人は多い。各駅にはノートが置かれ、訪れた人の思い出が残されている。

 関係者によると、鉄道ファンの来訪は2月中旬以降急増。静内駅舎には、町観光協会の特産品販売コーナーの入り口に鉄道コーナーも設けられている。駅名のマグネットプレート(しずない、ひがししずない、はるたち、ひだかとうべつ、ひだかみついし、ほうえい、ほんきり=5.5×9センチ)が1枚308円、駅名標29種類と使用車両の鉄コレ・コンプリートセットが9240円(苫小牧から様似まで)、駅名標キーホルダー550円、駅ストラップ495円などを買い求める人が多い。

 新ひだか町観光協会は、静内駅の観光情報センターぽっぽでロビー展示を企画し、JR日高本線の駅舎と鉄道変遷の歴史や思い出の鉄道写真17点、蒸気機関車C11―207の写真と説明などを展示している。

 駅のノートには、1月18日に新冠町の大狩部駅を訪れた人が「トンネルから海側に新雪のジュウタンが広がっていて、入るのが申し訳なく感じた。ザバーンという波の音が聞こえ、苫小牧方向にあるぐにゃぐにゃのレールに波がかかっていた。天気の良い日には、真っ赤な夕日が見られ、今も脳裏に浮かびます」とメッセージを残した。3月19日に浦河町の東町駅を訪れた人は「もう鉄道で来られないのは残念。高校や病院が近くにあり、鉄道を残すよりバスを充実することにしたことが、この町にとって良いことなのだと信じて、この駅、この路線に別れを言うことにします」と思いを記していた。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る