苫小牧市教育委員会(市教委)は26日、アイヌが航海や漁業に用いたイタオマチプ(板つづり舟)とみられる2隻が、市内弁天の海岸で見つかったと発表した。板つづり舟は波除けの板を縄でとじて取り付けた丸木舟。1965年に旧勇払川古川の河畔(市内沼ノ端)で見つかり、66年7月に発掘された道指定有形文化財「アイヌ丸木舟および推進具」以来、55年ぶりの発見となった。
市役所第2庁舎内で開かれた第3回定例市教委会議で、市美術博物館の武田正哉館長が発表した。
同館によると、舟は今年1月27日、流木を拾いに来た地域住民の男性が発見。連絡を受けた同館職員が2月7日、土の上に置かれているような状態を確認した。この時、現地にいた市民から東に1・3キロ地点にも舟があるとの情報を受け、2隻目も確認した。
最初に発見されたのは全長610センチ、幅64センチ、高さ22センチ。船べりの一部が損壊している以外は完全な状態で「船尾の両舷に穴が開けられている特徴からアイヌの板つづり舟と推測できる」(武田館長)とした。
2隻目は全長413センチ、幅45センチ、高さ10センチ。破損が進み、右舷側と船首が欠けているが、1隻目と同じ特徴が見られる。
年代は不明。1隻目から採取した木片の年代測定を実施しており、正確に把握するには少なくとも2カ月かかる。2月11日、確認のため現地に来た国立アイヌ民族博物館の佐々木史郎館長らに簡易的な保護と年代測定を依頼したという。推進具(かい)は見つかっていない。現在は2隻とも勇武津資料館敷地内に一時保管されている。
市教委は、29日の文化財保護審議会と6月の市議会文教経済委員会でも報告を予定している。
元市博物館の館長で、66年の丸木舟発掘に直接関わったこともある佐藤一夫さん(80)=山手町=も今回の舟を板つづり舟と推定。「ほぼ完全な状態で見つかっており、半世紀前の丸木舟と同様の貴重な発見だ」と強調した上で、「文化財として申し分なく、市を挙げて大切に保存すべき」と話した。
苫小牧アイヌ協会の作田悟会長(73)は「丸木舟の姿を思うとき、先人の知恵と生きる強さ、苦労に頭が下がる。どうか大切に保存してほしい」とコメントを寄せた。





















