むかわ町は2021年度、地元の高校生が通える無償の公営塾を開設する。町内の鵡川、穂別両高校の生徒のほか、町外の高校に通う町内在住者を対象に進学や探究学習を専門のスタッフがサポートする環境を整備する。開設場所は町内末広の「ム・ペツ館」内を予定しており、町教育委員会は「遅くても9月にはスタートしたい」と準備を急いでいる。
町教委によると、町内には高校生向けの学習塾がなく、苫小牧など近隣まで足を延ばさなければならないのが現状。こうした状況を踏まえ、地元高校の魅力化を図る取り組みと併せて、放課後に自習などもできる場を無料で提供し、日常的に学習できる環境を整える。保護者の経済的な負担の軽減を図るとともに、一層の学力向上などにつなげるのが目的だ。
場所はJR鵡川駅に近いム・ペツ館の実技研修室を含む2部屋を確保し、床は土足での入館が可能になるよう張り替える。施設には開設時間中、個別指導に当たる専門のスタッフを常駐させる。スタッフには地域おこし協力隊として3人を採用する方向で調整しており、ほかに総務省の地域人材ネットに登録する外部専門家をアドバイザーとして招聘(しょうへい)し、助言をもらいながら運営を進めていく。
町教委では、開設時期に合わせて事前に希望者を募る考え。担当者は「個々の目標に合わせたカリキュラムや授業の学習もやっていく」とし、「無償で塾を開設することで今まで苫小牧などに通っていた人も町内で学ぶことができる」と期待する。
町は、21年度予算に運営業務や部屋の借り上げ、感染症対策衛生用品などを含めた事業費として730万円を計上している。

















