日本テレビの情報番組でアイヌ民族を傷つける不適切な表現があった問題で、白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)は3月31日、白老町の国立アイヌ民族博物館に対し、民族の歴史を伝える社会教育施設としての役割をさらに発揮してもらうよう要望書を出した。
要望書では、3月12日午前に放映された番組でアイヌ民族を動物に例える不適切な言い回しがあったことに対し、「差別的な言葉であることすら気が付かずに放送された原因の一つに、アイヌ民族に対する社会的な理解が進んでいないことがある」と指摘。社会教育機関としての国立アイヌ民族博物館の役割は大きいとして、「アイヌ民族の差別の歴史と現状に関する調査研究、展示を今まで以上に充実させ、社会的な理解の促進に努めてほしい」と期待を込めて求めた。
同協会の山丸理事長ら役員が同日、博物館を訪れ、佐々木史郎館長に要望書を手渡した。
問題の番組をめぐっては、政府や道、北海道アイヌ協会など各方面から批判の声が上がり、日本テレビの小杉善信社長が3月22日の定例記者会見で陳謝した。

















