JR日高線 鵡川―様似間が廃止 84年の歴史に幕 路線バス運行開始

JR日高線 鵡川―様似間が廃止 84年の歴史に幕 路線バス運行開始

 高波被害により2015年1月から不通となり、代行バスが運行していたJR日高線鵡川―様似間(116キロ)が1日、鉄道事業を廃止した。1937年の全線開通から84年の歴史で路線の8割が姿を消す。同日から新しい路線バスの運行が始まり、日高地域の公共交通体系は大きな節目を迎えた。

 1日は記念セレモニーが行われ、苫小牧―えりも間の直行便が走行するえりも町から日高町までの6町で、沿線自治体(日高町、平取町、新冠町、新ひだか町、浦河町、様似町、えりも町)の7町長が乗客に記念品の贈呈や見送りを行い、路線バスの運行を歓迎した。

 同線鵡川―様似間は15年の不通後、7町が復旧を目指し、JR北海道や道、国に要望活動を展開した。だが、JR北は16年11月に同線区を単独維持困難線区とし、同年12月に廃止・バス転換の方針を打ち出した。7町は協議を続けたが、不通期間が長引く中、廃止を容認する町が増え、20年10月に同線区廃止の同意書と覚書をJR北と締結し、今年4月の廃止が決まった。

 その後は、7町やバス事業者で新しいバス路線の調整を続け、2月に概要を公表。苫小牧―えりも間で1日1往復の直行便を新設したほか、通院や買い物客向けに停留所を10カ所増やした。平日の運行便数は134便から98便に減少する。

 日高町村会の坂下一幸会長(様似町長)は鉄道事業の廃止について「長い間お世話になった。断腸の思いだ」と心境を明かす。路線バスについて「代行バスより便利だが、利用者が少ないと存続できない。多くの人に利用されるよう7町で議論を続けたい」と話す。

 JR北は「新しい公共交通体系が地域の足として利用されるよう、引き続き協力していく」とコメントした。

JR日高線をめぐる経過

【2015年】

1月7~9日

   暴風雪でJR日高線全線運休。厚賀―大狩部間で線路の土砂流出。鵡川―様似間で運転見合わせ

9月 台風による高波で新たな土砂流出確認

【2016年】

1月 JR北(以下JR)が高波被害復旧8億円、復旧工事総額38億円と発表

8月 相次ぐ台風で線路の護岸倒壊

9月 JRが上下分離方式案を沿線自治体協議会に提示

11月 JRが復旧総額86億円と沿線自治体協議会に説明

同  JRが単独で維持困難な13線区を発表。日高線(鵡川―様似間116キロ)が含まれる

12月 JRが鵡川―様似間の廃止とバス転換方針示す

【2017年】

2月 日高町村会が全面復旧を断念

3月 日高町村会などが鉄路と陸路の双方を走行可能なDMV(デュアル・モード・ビークル)導入支援をJRに要請

【2018年】

11月 沿線自治体7町長が日高門別―様似間(95.2キロ)の廃止を容認

12月 浦河町長が合意を翻し「全線復旧」を主張

【2019年】

1月 JR日高線を守る会が「JR日高本線の再生を求める緊急声明」発表

11月 7町長が多数決で鵡川―様似間の廃止とバス転換容認。浦河町長は反対

【2020年】

6月 JRが25億円の支援金を7町長に提示

8月 7町長会議が「住民のための新しい公共交通体系つくる」と廃止への最終合意を決断

10月 7町とJR北海道が鵡川―様似間廃止の同意書と覚書を締結

【2021年】

1月 JR北海道がJR日高線鵡川―様似間の4月1日廃止を国土交通省に届け出

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