多様な性に理解を 苫小牧市が中学校で出前授業

多様な性に理解を 苫小牧市が中学校で出前授業
性の多様性について中学生に伝える出前授業=苫小牧緑陵中

 苫小牧市は、多様な性について若い世代に知ってもらう出前授業に乗り出した。先月上旬には市職員が中学校2カ所を訪れ、性的少数者に関する基礎知識や、性の在り方は一人ひとり異なることを丁寧に生徒たちに伝えた。新年度も学校側の要請に応じて積極的に授業を展開したい考えだ。

 誰もが自分らしく生きられる男女平等参画社会を目指す活動に取り組む市協働・男女平等参画室は今年1月、職員の吉井ひかるさんが手掛けた性的少数者について紹介する漫画を収録した啓発パンフレットを発行。市男女平等参画推進センターとの協働事業で、市内の小中学校や高校などに配布した。

 3月5、9、10日には学校側の依頼を受け、性に関する出前授業を緑陵中学校1、3年生と和光中3年生を対象に実施。性をテーマとした授業は同室としては初めてで、講師はいずれも吉井さんが務めた。

 授業では、身体の性別以外にも心の性や好きになる性別、どんな性別に見られたいかといった要素が人の性を形づくっていることを解説。「性の在り方は人それぞれで、みんな違うのが当たり前」という点を繰り返し訴えた。

 性の在り方を決めるのは自分自身で、他者が押し付けたり、決め付けたりすることは「絶対にあってはならない」ことも強調。自分の性に悩んだ際の相談窓口や性的少数者を支援する立場の「ALLY(アライ)」と呼ばれる人を頼るのも有効であることを紹介した。

 性の多様性に社会的な関心が向けられるようになって日が浅いため、学校現場でも性の在り方を扱う授業はまだ模索段階。それでも緑陵中の荒川歩校長は「中学生のうちに、自分と周りの人との間で性の在り方や感じ方が全く異なることを知ることは、後の人間形成にも重要な意味を持つ」とみて、授業を継続する考えだ。

 和光中の神保麻衣養護教諭も「自分とは違う人に差別や偏見の気持ちを持たず違いを認め合い、よりよい人間関係を築く上で大切な学習活動」と語る。

 吉井さんは「性の在り方はみんな違っていて当然、ということだけでも生徒に知ってもらいたいと授業内容を考えた」と説明。「今年度はより多くの学校で授業を行いたい。学校の実情や子どもの発達段階などに応じて内容を考えるので、ぜひ相談してもらえれば」と話す。

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