JR北海道は2日、2021年度の事業計画を発表した。新型コロナウイルス感染症の影響から中期経営計画策定時に比べJR単体で300億円、グループ全体で420億円の減収になり、今期の連結最終赤字は146億円との見通しを明らかにした。今年度は北海道新幹線が札幌に延伸される10年後の経営自立を目指して改革を進める。
島田修社長は、5月27日に石勝線列車脱線火災事故から10年となることに触れ、「安全再生の取り組みは道半ば。安全最優先の企業風土を定着させたい」と述べ、安全輸送とコロナ禍の「ウィズコロナ」対策を強調。国や道の経営支援策の継続・拡充を重く受け止め、「今後はわれわれの経営改善の実行と成果が問われる。徹底した経営構造改革を背水の陣で断行していく」と決意を語った。
国が決定したのは▽経営安定基金の下支え▽青函トンネルの負担見直しなどの構造的経営課題への支援▽省力化・省人化へのシステム変更など経営改革の推進に資する支援。島田社長は「当社だけで改善できない三つの課題解決を成し遂げ、10年後の(札幌までの)新幹線開業後の経営自立の達成に不退転の決意と覚悟で臨みたい」と強調した。
今年度は23年3月の「北海道ボールパークFURANOSEビレッジ」開業に向け、北広島駅の改修とアクセス輸送の本格準備、新千歳空港アクセス強化の課題解決に向け関係者と検討を進める。業務のシステム化で人件費を減らし、ダイヤ改正できめ細かな減便・減車によって修繕費を削減する。新幹線の高速化や青函トンネルの維持管理負担、黄線区を維持する仕組みの構築など構造的な課題は、10年以内の解決を目指す。
収益の確保では、札幌圏資産の高度利用による高収益化を視野に、今年度から北3西12地区(ホテルさっぽろ弥生)の再開発の設計、桑園社宅用地の開発の検討に着手する。島田社長は「収益規模を含め具体的検討はこれから。鉄道利用者の増員につなげがるようにしたい」と述べ、分譲・賃貸マンションや商業施設の立地を念頭に入れた開発を進める考えを示した。
新幹線東改札を含む札幌駅周辺再開発も22年度の都市計画決定に向けた施設設計や環境アセスメントの手続きを進める。
















