厚生労働省による地域別自殺者のまとめによると、2020年の苫小牧市内の自殺者数は前年比8人増の32人だった。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は18・69人。全道平均(17・56人)、全国平均(16・44人)を2年ぶりに上回った。経済状況や人間関係の複合的な要因が絡み合って起き、新型コロナウイルス禍による不安、負担増も背景にあるとみられる。市は、専門職員による「こころの相談日」のPRや悩みを抱える人のサインに気付き、適切な支援を行う「ゲートキーパー」の養成に力を入れていく。
自殺に至った32人を年齢別に見ると、50代10人、20代、30代、60代が各5人と多かった。職業別では主婦や年金・雇用保険などの生活者を含む無職が17人、被雇用・勤め人は15人だった。
原因・動機別では健康問題と勤務問題が各9人、家庭問題も5人と目立った。複合的な理由が絡み合っているとみられるがコロナ禍を背景にした経済不安、仕事疲れや職場の人間関係なども一因と考えられる。
市健康支援課の担当者は「自殺の要因は複雑多様。身内や友人、職場の仲間など周囲が自殺の危険を示すサインに気付ける態勢を強化することが重要」と訴える。
過去10年間を見ると、市内の自殺者数は増減を繰り返しており、市は昨年10月以降、月1回「こころの相談日」を設け、保健師ら専門職員が市役所内で相談に応じる態勢を構築。自殺につながる危険な兆候を察知し、適切な対応ができるゲートキーパーの養成にも力を入れる。
20年度は計5回の養成講座を実施し、約200人が受講。講座は13年度にスタートしたが、ゲートキーパーは今年3月末までに2000人を超えた。
携帯電話やパソコンで心理状態をチェックできる「こころの体温計」もホームページ上に用意。昨年9、10両月はコロナの感染拡大が影響してか、同年8月に比べて利用が2倍に増えたという。21年度も年5回ほどゲートキーパー養成講座を実施。自殺防止パネル展は、市役所外での開催も視野に入れる。
厚労省による全国共通の「こころの健康電話相談」の電話番号は0570(064)556。平日午前9時~午後9時。土、日、祝日は午前10時~午後4時。
次回の市の「こころの相談日」は5月12日。3日前までに予約が必要。
問い合わせは市健康支援課 電話0144(32)6410。
















