苫小牧市錦町で、夜に営業するそば店として親しまれてきた「蕎麦屋一休」が30日、閉店する。店主の鳴海蒼生基(たみき)さん(75)と妻の幸子さん(70)の2人で切り盛りし、そばをはじめ一品料理や温かいもてなしが人気だが、2人の年齢と新型コロナウイルス流行に伴う客足の減少を考え、決断した。常連客から惜しむ声が上がっている。
1997年に開店。28歳から23年間、一休そば(市内有明町)に勤務していた蒼生基さんが独立し、幸子さんも店を手伝うようになった。バブル崩壊後ではあったが、錦町周辺は夜の人出が多く、営業時間も夕方から深夜とした。パート従業員も雇い、蒼生基さんが採取した山菜を振る舞うこともあった。
客の8割が厚焼き玉子(税込み580円)を注文し、にしんそば(同1080円)や、えび天そば(同990円)なども好まれている。日本酒は約20種類。午前1時すぎから忙しくなり、37席が満席になる日も多かった。
2018年9月の胆振東部地震では一時停電の被害に遭ったが、店を訪れた客から「明かりを見てほっとした」と喜ばれた。だが、昨年はコロナの影響で、4月から5月にかけて10日間休業。再開後、7月に前年の9割まで客足が戻ったが、11月以降、再び低迷し、12月は7割減、今年1月には8割減まで落ち込んだ。
常連客は通い続けてくれたが、今年に入って閉店を検討。蒼生基さんは「飲食店はやめ時が難しい。体力に自信はあるが、今なら客や大家さん、みんなに感謝してやめることができると思った」と打ち明ける。常連客に伝えると、花束を贈られたり、「ゆっくりしなさい」とねぎらいの言葉を掛けられたという。
30日まで、午後6時から翌日午前0時まで営業を続ける(日曜定休)。蒼生基さんは「24年間たくさんの人に利用していただき、本当にありがたい」と感謝の言葉を口にし、幸子さんも「多くの方に支えられて続けることができた。今はとても幸せ」と笑顔を見せた。
















