吉川貴盛元農水相(収賄罪で在宅起訴)の議員辞職に伴う衆院道2区(札幌市東区・北区の一部)の補欠選挙が13日、告示される。自民党が候補擁立を見送り「不戦敗」を決めた異例の構図。立憲民主党と共産党が野党共闘で統一候補を擁立したほか、無所属を含め保守系が乱立し計7人が出馬する見込み。25日の投開票へ向け、12日間の選挙戦に突入する。
出馬するのは、立憲民主党前職の松木謙公氏(62)、日本維新の会新人の山崎泉氏(47)、無所属新人の鶴羽佳子氏(53)、無所属新人の長友隆典氏(52)、NHK受信料を支払わない方法を教える党(略称NHK党)新人の斉藤忠行氏(29)、諸派新人の小田々豊氏(65)、無所属新人の小林悟氏(56)の7人。道内小選挙区選挙では、過去最多の乱立選挙になる見通しだ。
前回は希望の党から出馬し、自民の吉川氏に敗れた松木氏。今回は立憲に入党し、雪辱を期す。野党共闘で共産が候補を取り下げて支援に回り、社民党や国民民主党も推薦する。自民が不在の選挙戦となるが、立憲の逢坂誠二道連代表は「選挙は何が起こるか分からない」と引き締めに懸命、12日夜には党本部から枝野幸男代表も来道し、総決起集会に出席予定。手綱を緩めず、総力戦で臨む構えだ。
自民候補が出馬しないため、保守系候補が3人乱立する選挙戦になる。野党ではあるが、菅政権に近い立ち位置にある維新は、鈴木宗男参院議員の元秘書で前道議の山崎氏を擁立。党道総支部長の鈴木参院議員は野党共闘について「野合だ」と厳しく批判。保守票の受け皿として、党の存在感を示すことを狙う。
無所属ながらも保守系を表明するのが、元HBCアナウンサーの鶴羽氏と、自民党員の弁護士の長友氏。鶴羽氏は「幸せを分かち合う政治を」、長友氏は「地域経済の基盤強化」などの政策をそれぞれ訴え、草の根の運動を展開する構え。無党派層の取り込みにも力を注ぐ。
NHK党が擁立した元NHK集金人の斉藤氏は「NHK受信料には問題が多く、改革が必要」とインターネット中心に運動を展開。政治団体「世問う国民党」代表の小田々氏は、相続制度と消費税の廃止などの政策を掲げる。告示直前の10日に出馬を表明した開業医の小林氏は、コロナ禍の医療従事者の声を「政治に届けたい」と感染対策の強化を訴える姿勢だ。
告示日は、各候補とも大型商業施設前や選挙事務所前などで第一声を放ち、舌戦を開始する。
8日に告示された参院長野選挙区補選と参院広島選挙区再選挙と同じく、25日に投開票される道2区補選。昨年9月の菅政権発足後、道内では初の国政選挙で、10月までに行われる衆院解散・総選挙の前哨戦と位置付けられている。

















