産業廃棄物最終処分場の建設計画 町、改めて「反対」 町民と意見を交換 安平

産業廃棄物最終処分場の建設計画 町、改めて「反対」 町民と意見を交換 安平
新たな産業廃棄物処分場の建設について改めて反対の意向を述べた及川町長

 安平町は、産業廃棄物処理業者が町内早来北進で産業廃棄物最終処分場の建設を計画していることを受けて14日、町民との意見交換の場を設けた。町としては参加者の強い要望を踏まえ、改めて建設に「反対」の意向を示した。

 最終処分場の建設計画を進めているのは、大手産業廃棄物処理業者「大栄環境グループ」(本社大阪府)傘下にある町内の「DINS北海道」。着工、完成時期は未定だが、JR早来駅から約2・6キロ東に位置する所有地に建設を予定している。

 施設の処理能力は面積2万5650平方メートル、容積18万6689立方メートルで汚泥や廃油、廃プラスチック類などの処理を想定する。

 町の説明によると、旧リブロック時代に事業の対象となる守田自治会の意向を確認せずに、胆振総合振興局へ2015年8月に事業計画書、16年5月に許可申請を強行的に提出。その後、公害などの風評被害を懸念した近隣の北進、守田、東早来、緑丘の4自治会や町が計画に反対する意見書を送付したが、17年6月に設置許可が出された。この結果を踏まえ、近隣自治会の住民が環境省に行政不服審査請求書を送っていた。

 その後、胆振東部地震が発生し、目立った動きはなかったが、ここに来て同計画の動きが加速していた。意見交換に参加した町民からは「何とか食い止めてもらいたい」と切実な声が挙がったほか、町役場の対応の甘さを指摘する声があった。また「この問題に無関係、無関心、知らない人もたくさんいる。若い人たちにもアピールし、町民一丸となって建設反対を訴えていかないと」と幅広い周知を求める声も聞かれた。

 町は昨年9月、さまざまな環境問題について対策を協議するチームを、所管する税務住民課のほか、各課の課長クラスなどで発足させている。産業廃棄物処分場問題についても、同チームが外部の専門家や弁護士のアドバイスを得ながら、今後の打開策を検討していく。及川秀一郎町長は「道に対しても許可を取り下げる要請を行っていければ。難しいことではあるが、諦めず、最後まで粘り強く反対を訴えていく」と約束した。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る