苫小牧市美術博物館は18日から、市内で目撃例が相次いでいるカササギの営巣調査に本格的に乗り出した。館のボランティア組織「博物館友の会」有志ら20人が5月31日までの期間、手分けして市街地全域の営巣数や位置、営巣の状況などを調べる。カササギ調査は研究者を中心に2011年、16年に行われており、調査自体は3回目だが、同館が主催して市民型調査として行うのは初めて。
カササギは、カラスの仲間。体長はカラスより一回り小さく、胸と翼の先端に白い模様があるのが特徴。黒い羽は、日当たりによっては青みがかって見え、美しい。
ヨーロッパから北アメリカの太平洋沿岸まで広く分布するが日本には戦国時代に個体群が移入され、カチガラスの名で九州北部に分布するのみだった。1990年代になって、室蘭や苫小牧など胆振地方を中心に目撃例が相次ぎ、近年は苫小牧市の勇払、沼ノ端、錦岡など各地で繁殖個体群が確認されている。札幌や旭川など北海道の内陸部でも営巣が見られるようになった。
同館で調査を主導する自然担当学芸員の江崎逸郎さん(44)は「道内の個体群はDNA分析でロシア由来である可能性が高いことが分かっている」と話す。道外の石川や兵庫などで繁殖行動が確認されているが2~3年で姿を消し、定住には至っていないという。
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調査は、市内の営巣数や状況などを収集、把握することで、カササギにとってどんな条件が有利に働いているのかを知る基礎データにする狙いがある。各地に飛来する個体を正確に把握することは難しいが、営巣地を調べることで個体数を推定できる。2016年の調査では市内で約100個が見つかっており、つがいで活動するカササギは200羽以上いると推定される。
17日には、同館でボランティアや関係者20人が集まり、カササギの生態や調査の目的、手法などを解説する説明会が行われた。
ボランティアは各小学校区ごとに区割りされた地域を担当。巣や個体などを見つけた位置と状況を記録する。声だけで姿が見えない場合や巣材となる枝などを運んでいたり、飛行していたりした場合も発見時の行動記録として報告する。
江崎さんは「苫小牧に定着したカササギの動向を継続して知り、地域生態系の変化を知ることにつなげたい」と意気込んでいる。



















