苫小牧市北光町のアパートで起きた幼児死体遺棄事件をめぐり、市の内部検証結果の情報公開を申請した苫小牧市議が「一部非開示」とした市の対応に不服を申し立てている。実際は公開された資料のうち、大半が非開示で黒塗り。主な理由にプライバシーの保護を挙げているが、「関わった行政機関名や市の関わりの有無を含め非開示とした点に疑問が残る」としている。市情報公開・個人情報保護審査会が、市の非開示判断の妥当性を審査する。
不服申し立ては8日、松井雅宏市議(改革フォーラム)が実施。非開示を決めた関係部署に審査請求書を提出した。
松井市議は3月24日、情報公開条例に基づき、検証内容の情報開示を請求。4月7日、同事件の検証に当たった市要保護児童対策地域協議会の検証結果をまとめた関連資料が開示された。
市の開示資料によると、大半を黒塗りとしたのは、プライバシーに関わる情報で、「公開されてしまえば、当該個人の事件後の平穏な生活や健全な成長が害される等のおそれがある」ためという。
松井市議は、氏名などの個人情報の非開示に関しては一定の理解を示し、事件発覚前の対応についてまとめた資料で具体的な内容が黒塗りなのは「仕方がない」と語る。
その上で、関わりがあった機関を記す項目中、「健康支援課」と「学校」だけが明らかにされ、その他の機関は黒塗りである点を問題視。別の資料で、生活保護が連絡不能によって廃止された世帯で子どももおり安否が心配されるケースについては、今後の対策として「生活支援室とこども支援課とで共有できる枠組みを構築する」必要性に触れたが、両部署が事件発覚前に関わっていたのか否かも把握できない。
松井市議は「個人情報の保護を理由に機関名まで隠すと、市の対応が適切だったのかを検証するのが難しくなる」と指摘。「不服申し立ては不本意だが、市の対応についての第三者の評価を聞きたかった」と話す。市議会定例会のたび、複数の市議が事件に関連した市の対応をただしてきたが、市側は児童虐待による死亡事件ではなく「公益上特に必要があると認められない」とし、検証結果の公表に慎重な姿勢を示してきた。
市情報公開・個人情報保護審査会は弁護士や学識経験者、市民団体や民間企業からの推薦者など委員5人で構成。市と申し立て者双方の主張を確認した上、行政情報の開示の妥当性を判断する。
















