白老町は、老朽化が進む町立国保病院の改築に向けた基本計画案を取りまとめた。新病院は2024年5月の開院を目指し、現病院(日の出町3)の敷地内に建設。総事業費は29億6100万円と見積もった。一般病床数は今後の人口推計や医療需要を踏まえ、現行より18床減の40床に設定。長期療養患者を受け入れる介護医療院を併設し、医療と介護福祉の一体的な提供を担うとした。
■一般病床は40床
基本計画案は、26日の町議会調査特別委員会に示した。それによると、新病院は、40年までの長期的視点に基づく人口構造と医療需要の見通しを踏まえて、軽度な急性期患者と回復期患者を受け入れる医療機関とした。一般病床は人口減少の進行や医療圏域全体の必要数を考慮し、現行58床を40床へ減らす。
病室は4人部屋が7室(28床)、個室が10室(10床)、感染隔離個室が2室(2床)とし、このうち救急用として3床を活用。広域的な医療連携で回復期患者を受け入れる地域包括ケア病床を備える。リハビリテーション機能も強化し、自宅生活などへの早期復帰につなげる。他の2次医療機関や専門病院との連携も図り、安心の医療サービスを提供する。
診療科目は、75歳以上の後期高齢者の長寿命化傾向も踏まえて「内科」「整形外科(または外科)」「小児科」を基本とし、循環器内科や皮膚科など出張医の専門外来診療も整える。
併設の介護老人保健施設きたこぶしについては、長期療養患者の受け皿として適切な医療と介護福祉サービスを提供する介護医療院に転換。定員は現行29人から19人へ変更する。
■津波対策の工夫も
新病院の建設地は現病院の北西側と南東側の敷地内。鍵型状用地に病院と介護医療院を併設した鉄筋コンクリート造り2~3階建て、延べ床面積4100平方メートルの施設を整備する。津波災害に備え、2メートルほどかさ上げした地盤に建てるなど、浸水被害を最小限にとどめる工夫を取り入れる。
建設費や医療機器購入費などを含めた総事業費は、新病院で27億1100万円、介護医療院で2億5000万円を想定。計29億6100万円の財源は起債や補助金などを充てる。
事業は設計施工の一括発注方式を採用し、工期短縮を図る。スケジュールは21年度に業者を選定し、22年度にかけて基本設計と実施設計を行い、一部用地も取得。23年度に建設工事を進め、24年5月のオープンを目指すとした。
町は基本計画案に町民の意見を反映させるため、30日から5月30日までパブリックコメント(意見公募)を実施。町議会での議論を経て6月初旬の成案化を予定している。




















