白老町在住の木彫作家・能登康昭さん(72)の彫刻展「想いのカタチ」(実行委員会主催、白老アイヌ協会協力)が白老コミュニティセンターで開かれている。人物や動物などをかたどった66点を展示し、見事な技で彫り上げた作品に来場者が足を止めて見入っている。
会場には、アイヌ民族や伝統文化の理解促進に努めた白老の野村義一氏、森竹竹市氏、山丸武雄氏ら先人の人物像、オオワシやクマ、フクロウといった動物、イタ(盆)やチシポ(針刺し)などの木彫りを展示。「アイヌ神謡集」の著者として知られる知里幸恵(1903~22年)の像や迫力の仁王像も目を引く。妻や娘、孫をモチーフに家族への愛を込めて制作した作品もある。
能登さんは24歳の時、木彫家の故野本雅寿さんに師事し、木彫り熊の制作技術を磨いた。その後、人物像や動物など幅広いモチーフの作品を制作。1999年の北海道アイヌ伝統工芸展一般作品部門で最優秀賞を受賞したほか、二科展や道展で入選を重ねた。
今回の彫刻展について能登さんは「私の制作活動の集大成的な個展。家族愛、アイヌ民族の先駆者への思いなどをテーマした作品を見ていただければ」と話す。
5月7日までで、開催時間は午前10時から午後4時。入場無料。

















