まちづくり

まちづくり

 まちづくりという言葉がある。本紙でもよく使われる。もう何十年も課題として横たわる中心市街地活性化や駅前再開発、交通体系の見直しまで幅広い分野で使えるとても便利な言葉だ。

 ただ、まちづくりとは? と問われれば明快に答えるのは難しい。建物を造ることだけではなく、道路を整備するのでもない。何となくイメージは広がるが、一言で言い換える言葉は見つからない。

 以前、市民団体に籍を置く人に聞いてみたことがある。答えは「人づくり」。つまり人を育てることが、まちづくりで最も大切だというのが、その理由だった。

 これまで、中心市街活性化一つをとっても、計画は何本も策定され、国や道の補助メニューや施策は盛りだくさん。家賃補助や改修費補助、チャレンジショップ…。商業関連だけでも各省庁ごとに数えきれない。先進地事例もあふれている。

 ただ、苫小牧もその効果は乏しい。人口が減ると、税収も減り、これまでと同じサービスや水準は受けられなくなる。一般論ではそうだが、人の知恵やアイデアが補うことはある。中国地方で高齢者を「光齢者」と呼ぶ地域のリーダーがいる。生きる名人がたくさんいる、との意味だ。苫小牧だって光を放つ人材はたくさんいるはず。問題は活用されていないこと。制度優先ではなく、真の豊かさを感じられるまちづくりへ、やるべきことは多い。(昭)

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