地元水産物で商品開発 「スケソウダラのディルマリネ」「虎杖浜たらこせんべい」 漁業振興目指す 白老の事業者

白老産スケトウダラのマリネを商品化したブルーサーモンの貮又代表

 白老町の事業者らが地元水産物を生かした食品を開発し、白老駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)の観光インフォメーションセンターなどで販売に乗り出した。商品化したのは、白老で水揚げされる主力魚種スケトウダラのマリネと、虎杖浜産のたらこを原料にしたせんべい。地元漁業の振興も目指して商品づくりに当たった事業者らは「白老の豊かな海の味を発信したい」と意気込む。

 地域資源活用の商品企画を手掛けるBLUE SALMON(ブルーサーモン)は、「スケソウダラのディルマリネ」を開発した。白老産スケトウダラを一口サイズにカットし、一度酢で締めて下味を付けた後、ディル(ハーブ)やレモン、香辛料、海藻、蜂蜜、昆布エキスを使用したたれに漬け込み、マリネに仕上げた。食用油を使っていないため、よりさっぱりとした風味になった。

 商品化について同社代表の貮又聖規さん(49)は「地元漁業の営みを守りたいとの思いから企画した」と話す。取引価格の低迷が続く水産物の用途を広げ、漁業者の収入増と漁業経営の安定化につなげたいという。白老生まれの新商品は東京の商社も注目し、首都圏のワインバーなどに売り込みを掛けている。

 製造は水産加工品メーカーの竹田食品(函館市)で、価格はスタンドパック入り(100グラム)で380円、土産用の化粧箱入り(180グラム)で1080円。観光インフォメーションセンターのほか、町内のスーパーくまがいでスタンドパック入りを扱っている。

 貮又さんは「タコやサケ、ソウハチ、エビなど白老の魚介類に付加価値を付け、消費拡大を目指す取り組みを続けたい」と言い、水産業振興に向けてさらなる商品開発に意欲を燃やす。

 水産加工・販売を手掛ける虎杖浜のカネシメ松田水産(松田幸男社長)は、苫小牧市の菓子メーカー協和製菓(久積和博社長)とタイアップして「虎杖浜たらこせんべい」を開発。虎杖浜産のたらこを練り込んで焼き上げた小判せんべいを誕生させた。

 商品開発は、地域団体商標に登録されているブランド品「虎杖浜たらこ」を生かし、観光客らの土産品になる新しい加工食品を作りたい―という思いから企画した。

 松田水産は1年前、協和製菓と共に開発プロジェクトに着手。せんべいの原料、たらこの煎り方や含有量、風味や食感、塩加減などの試行錯誤と試作を繰り返し、両社の熱意でついに商品化に成功した。

 地元業者が虎杖浜産のたらこを原料にした菓子を生み出したのは初めてで、松田社長は「お菓子という形で地元特産品をアピールし、長く愛される商品になれば」と期待する。

 「虎杖浜たらこせんべい」は60グラム入りで648円。観光インフォメーションセンターのほか、たらこ家虎杖浜、大漁番屋虎杖浜の各店舗で扱っている。

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