第4波

第4波

 満開の桜の木の下を歩いた。大型連休に入った札幌・中島公園。小さな子どもが愛犬と一緒に走り抜けて行く。札幌には不要不急の外出・往来自粛が要請されているが、家族連れでにぎわっていた。

 中心部の地下街も同様。普段の休日と、そう変わらない人出だった。昨年の今頃、本道にも緊急事態宣言が発令され、ほとんどの店が休業して「シャッター通り」と化した地下街とは異なり、日常の光景が広がる。

 そんな札幌で、感染拡大が止まらない。新規感染者数は28、29日と連続して170人超え。「第3波」が襲来した昨年11月とほぼ同水準。札幌に限っては「第4波」に入ったと思われる。さらに感染力が強いとされる変異ウイルスも広がり、直近1週間で市が検査した新規感染者のうち8割近くが変異株だ。医療提供体制の逼迫(ひっぱく)も続く。鈴木直道知事は「市外への広域搬送も開始されるなど、通常のけがや救命救急への影響も懸念される事態となっている」と強い危機感を訴えた。

 札幌では、市内全域の飲食店に対して営業時間短縮要請も始まっている。ただ、時短要請は昨年4月以降、複数回行われており、効果は見通せない。知事と秋元克広市長は、特措法上で緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」の政府への要請に向け、協議を進めている。昨年から延々と繰り返される「ハンマー&ダンス」。閉塞(へいそく)感に包まれた、コロナ禍の2年目の春が行く。(広)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る