新型コロナウイルス感染拡大の影響で、暮らしが変化した読者も多いと思う。当方は以前もこのコラムで書いたが、巣ごもりを心掛けていたら、通信販売の利用が増えた。飲み会がなくなって交際費は減ったが、お取り寄せグルメの乱用で食費がかさみ、冷蔵庫は日本酒で埋まっている。
全国各地から生酒を注文している。宅配は要冷蔵のクール便を使い、時間帯も指定する。品質の劣化を少しでも防ぐため、再配達なんてもってのほか。配達状況の追跡サービスも活用し、到着日は首を長くして待っている。そんな当方の思いを見透かすように先日、会社支給のスマートフォンに、ショートメール(SMS)が入った。
「佐川急便よりお荷物のお届けに上がりましたが宛先不明の為持ち帰りました」とあり、ホームページを表示するURLが付いていた。酔いどれとはいえ、会社のスマホで、酒を注文したことはない。不在通知を装った偽SMSで、詐欺や迷惑メールの類いとすぐ知れた。URLをタップし、操作を進めれば、偽サイトへの誘導、個人情報の抜き取りなど、被害に遭う仕組みだ。
SMS詐欺や迷惑メールは常に世相を反映し、最近はコロナに便乗した内容が目立つという。ウイルスが変化し続けるように、人の不安や弱みにつけ込む行為が、真っ先に対応しているのは何とも皮肉だが、きっと相通ずるものがあるのだろう。だまされないように注意したい。(金)









