春を代表するカタクリが、厚真町内の森で薄紫のかれんな花を咲かせている。
ユリ科の植物。山林の開発などで群生するカタクリは苫小牧近郊の町でもすっかり珍しくなった。本州では都府県のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定しているところもある。北海道では保護に留意すべき「留意種」だ。
枯れ葉に覆われた雑木林の日当たりの良い斜面で、風に揺れながらしなやかに花を広げる。バレイショでんぷんの「かたくり粉」は、カタクリの小さな球根を集めて丹念に下ごしらえして作られるでんぷんがその語源。およそ8年の月日を経て咲くと知れば、見る側の心も揺さぶられる。
そばにはアズマイチゲやエゾエンゴサク。早春の花が開いた里山は間もなく、新緑が萌える。

















