白老町の仙台藩白老元陣屋資料館は、ふるさと再発見シリーズ第5弾の冊子「白老元陣屋を描いた絵図面」を発行した。幕末の仙台藩が白老に築いた北辺防衛拠点・白老元陣屋に関する貴重な絵図の数々を紹介している。
白老元陣屋は、幕府の命令で仙台藩が1856(安政3)年に構築。戊辰戦争が起きる68(慶応4)年までの12年間、約120人の藩士が入れ替わりで蝦夷地の防衛に携わった。幕末の歴史を伝える跡地は1966年、「白老仙台藩陣屋跡」として国の史跡に指定され、保存されている。
冊子には安政時代に白老元陣屋やその周辺を描いた17枚と、本陣や長屋、稽古場など元陣屋の建物の平面図7枚を掲載。元陣屋構築の調査段階に描かれた「白老之圖(ず)」(1855年秋ごろまでに製作)、設計図面の「白老元陣屋下絵」(同年秋ごろ)、元陣屋の各名称を記した「白老陣屋図」(同年冬ごろ)、藩士の配置を決める際の図面とした「仙台藩白老御陣屋詳細図」(1856年春ごろ)、元陣屋の全体像を描いた「仙台藩白老陣屋之図」(1857年9月)など、元陣屋が造られていく過程や藩士の生活がうかがえる絵図の数々を紹介している。
冊子に掲載した絵図は同資料館や宮城県図書館、仙台市博物館などの所蔵で、町教育委員会が今年3月にまとめた「陣屋跡保存活用計画」を作る際、資料として活用した。同資料館は「冊子を通じて白老元陣屋に興味を抱いてもらえれば」としている。B5判、14ページで1500部発行。同資料館やJR白老駅、白老郵便局、コミセン、公民館などに置いている。
同資料館は、町民らに地元白老の歴史を知ってもらい、郷土愛を深めてもらおうと2016年度から「ふるさと再発見シーリズ」を発行。これまでに「白老人物伝」「ポロト湖物語」「アヨロの大地」といった冊子を出している。

















