オンライン面会 支援へ 白老町認知症の人と家族などの会 操作講習など行いサポート

オンライン面会 支援へ 白老町認知症の人と家族などの会 操作講習など行いサポート

 白老町認知症の人と家族などの会(平野弘会長)は今年度、高齢者施設の入所者と家族のオンライン面会を支援する事業を計画している。新型コロナウイルス対策で直接面会を制限し、代わりにオンライン面会を導入する施設が増えている中、同会は入所者家族の会員らにオンライン操作講習などを行い、遠隔面会をサポートする考えだ。

 新型コロナウイルス感染が拡大した昨年春以降、認知症の高齢者らを受け入れている施設は、入所者と家族との直接面会を制限。高齢者が感染すると重症化するリスクが高く、施設内にウイルスが入り込めばクラスター(感染者集団)発生の危険性もあるからだ。

 一方、面会制限が長引くと、入所者や家族の精神的な影響は大きくなり、入所者の認知症進行を招く恐れも指摘されている。認知症の人たちの家族らでつくる同会(一般会員29人、団体会員23)が、昨年9月に家族の集い行事を開いたところ、参加者から「施設に入所する身内となかなか会えず、精神的につらい」「面会制限が続けば、認知症が進んでしまうのでは」などと、面会制限による苦悩の声が相次いだという。

 こうした中で同会は、面会機会を増やす手段としてパソコンやスマートフォンなど端末機の画面で顔を見せ合いながら会話するオンライン面会に注目。今年2月、認知症高齢者を受け入れている白老町内の特別養護老人ホームやグループホームなど11施設を調べたところ、半数以上の7施設がオンライン面会を導入または準備中と分かった。このため、同会は今年度、家族のオンライン面会を後押しする支援事業を行うことにした。

 事業では6月にまず、会員に対しオンライン面会のニーズや課題について調査。結果を踏まえて夏以降、オンラインの操作方法を伝える講習会などを行うほか、パソコンやスマートフォンなど端末機を所持していない人に同会事務局のパソコンを貸し出すことを検討している。

 支援事業の対象者は、会員以外にも広げ、サポートする考えという。

 新型コロナをめぐっては、17日から町内の高齢者施設入所者へのワクチン接種が始まる。しかし、同会は「接種を希望しない人もいたり、ワクチンの有効性がまだ明確になっていない中で、施設の面会制限はしばらく続くだろう」と推測し、「入所者と家族の精神的安定を確保するため、オンライン面会を後押ししていきたい」と言う。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る