新型コロナウイルスの感染が拡大してから、催事場などの入り口で検温をされるようになった。その時よく使われているのが、額などから発せられる熱を検知し、体に接触させずに検温する非接触式体温計。検温は家庭や地域でも日常化しつつあり、この手の体温計の利用はこれから増えていくかもしれない。
体に触れなくても短時間で測定できる利点は、魅力的だ。ただ、疑わしい点もある。例えば寒い外から暖かい室内に入ってすぐ検温した時、機器が肌の冷たさを感知して実体温より低い測定値を出すことはないのか。厳寒な場所(または猛暑の場所)でも正常に機能し、実体温と同じ測定値を出すのか。
道立消費生活センターは、この点を非接触式の体温計と温度計(体温測定モード有り)計4種類でテストしている。その結果、氷点下10度の屋外から25度の室内に入って検温した場合、実体温と同程度の測定値が出るまで約10分かかった。測定できる環境温度範囲以外では、測定できないか、実体温とは違う値になる傾向が見られた。
取扱説明書にある使用環境温度などを守らなければ、正確な測定結果は出ず、せっかくの検温も無駄になるということ。検温では感染症はもちろん、ほかの病気や体調の異変にも気付くことができ、実体温は正確に測定したい。測る時には非接触式に限らず、手持ちの体温計の取扱説明書をいま一度確かめることをお勧めする。(林)









